経理代行

督促状の書き方の決まりは?手順や注意点などを解説!

報酬支払い期日が過ぎても、取引先からの報酬が支払われなくて困った経験をした人もいるかもしれません。そんな時に役立つのが督促状です。

この記事では、督促状の性質や書き方、作成する際の注意点などについて、詳しく解説しています。督促状の書き方などをどうしたらいいのか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

督促状とは

督促状とは、仕事を行って発生した報酬の支払いや貸付の返済などが期限内に行われなかった場合、入金を促すための書状です。督促の意味は、未完了の行為(この場合の行為は「支払い」)を取り締まってなおかつその行為を促すという意味になります。

仕事をしてその報酬がもらえない場合に出す督促状は、報酬の支払い・入金という契約内容を取り締まりつつ、その契約に基づいて報酬支払いを促すという内容です。

督促状と似たようなものに催促状がありますが、これはあくまで表面的な催促であって、法的な効力はありません。しかし督促状は、民法150条において「6ヶ月間は時効​​​​成立を阻止できる」という法的効力があります。

ただし、督促状そのものに財産差し押さえなどといった効力はありません。

督促状、どのタイミングで出す?

督促状は、支払いがなかった時点ですぐに出さなければいけないものではなく、まずは催促の連絡、催促状を出します。督促状・催促状は特に決まった形式は存在せず、葉書・書類以外にメール・SMS等など取引先とやり取りが可能なものであれば、問題はありません。

催促の連絡をして返信がなかった場合、正式に催促状を出します。催促状に記載した期限までに支払いがない、あるいは催促状を出して1週間ほど経過しても何も返信がなかった場合、督促状を出しましょう。

また、催促の連絡→催促状→督促状という流れは、相手とすでに何度か取引をした場合、比較的友好的な関係のある場合です。相手と過去に取引がない、友好的でない関係の場合はいきなり督促状を送付するケースもあります。

督促状の書き方、送付の仕方は?

督促状は、必要事項を記入しないと効力が無効となるために、大事なポイントをしっかりと押さえる必要があります。では、督促状の書き方、送付の仕方は、具体的にどのようなことを守らないといけないのか、次より説明しましょう。

督促状に記載する必須項目

督促状に記載する内容は、次の項目が必須です。

・宛先

取引先の相手(会社名や部署、役職がわかれば記入、企業間の取引の場合は「〇〇(企業名)御中」と記載

・発行日・差出人

督促状を提出した日および差出人(督促状の作成者や企業名)を記入

・表題

この書類が督促状であることを示すために「督促状」と記載

・支払い要求

この種類のメインの内容であるため、具体的な要件(未払いがいくらかのか、いつまでに支払いしてほしいかなど)を記載

・法的措置に言及

取引先がやむを得ない理由ではなく誠意を見せない対応をした場合、今後の措置についての内容を記載

返信欄

相手に記載してもらうための「支払い予定日」「氏名」「印」などの項目を記載、どうしても遅れる場合は、ここに書いてもらう

督促状は法的に定められたフォーマットはないですが、上記の項目は必須です。

督促状の例文

督促状の例文をみてみましょう。

                                 令和〇年〇年〇日

株式会社〇〇御中

●●部 XXX様

                                     〇〇(差出人の名前)

                             〒100-0000

                            東京都■■区xx町 1-23-45

                             電話番号:03-1234-5678

督促状

(「〇〇のお支払いについて」でも可)

拝啓

平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、早速ではありますが令和◯年◯月◯日付にてご請求しております◯◯の代金につきまして、本日時点で入金の確認ができておりません。

当方といたしましても帳簿整理等の都合がございますので、大変恐縮ではございますが、お支払いいただくようお願い申し上げます。

ご多忙のところ申し訳ありませんが、至急ご確認をいただき、下記にお支払予定日をご記入のうえご返送ください。

 

なお、ご送金が本状と行き違いになっておりましたらご容赦願います。

取り急ぎまずはご連絡を申し上げます。

敬具

お支払予定日 令和  年  月  日

       御担当者名:           印

督促状作成の機会は一度とは限らないため、作成した際はテンプレートとして保存しておきましょう。

送付方法

督促状を送付する場合、普通郵便で送付しても問題ありません。個人であれば市販されている茶封筒、企業であれば企業用の封筒を使用します。

封筒には督促状と対象となっている取引の請求書のコピーを同封しましょう。コピーには再発行という文字の記入および印を押しておくと、取引先の二重計上の防止効果があります。

また、封筒の中身が督促状とわかるように、封筒には督促状、お支払いに関するお知らせなどの文字を記入しておきましょう。

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督促状の作成における注意点

督促状を作成する際は、いくつかの注意点があります。注意点を把握せずに作成してしまうと、督促状の効力がなくなってしまい、未払い分を回収することができなくなります。

では、督促状の作成における注意点とは何か、次より紹介しましょう。

記入忘れ、間違いがないか確認

督促状作成の際は、記入した項目の間違いや書き忘れがないように注意しましょう。少しでも記入ミスがあると、取引先にそのことを指摘されてしまい、請求をうやむやにされる危険性もあります。

また、先述した通り、督促状の作成には決まったフォーマットというものがありませんが、いくつかの必須項目を記載しないといけません。その大事な項目を書き忘れていた場合、督促状の性質を失って無効となる恐れがあります。また、そのことを理由に取引先が支払いを延長・無視する可能性もあるでしょう。

督促状は封筒に入れて送付する前に、書き間違い・書き忘れがないか、確認をすることが大事です。

請求書も同封しているか確認

督促状を送付する際は、請求書のコピーの同封も忘れないようにしましょう。請求書を同封する意味は、具体的な未払い金額の提示でもありますが、取引先の二重計上を防止する役割もあります。

ただし、同封する請求書のコピーは「再発行」というサインを入れることが必須です。それを入れないと通常の請求書と見分けがつかず、取引先の二重計上に利用されてしまうからです。

あくまで「支払いが延滞しているから、その具体的な請求金額の提示という意味でコピーを送付した」という意味合いを持たせるために、請求書のコピーには押印を添えて再発行の文字を書くようにしましょう。

必要以上に請求をしない

必要以上に過剰な督促はやめましょう。仕事をしたのに報酬の入金がなくて困っている人もいるでしょうが、過剰な請求は相手が慌ててしまって、それが原因でますます支払いが遅れる可能性もあります。

督促状を作成する人の中には督促状の内容に「法的措置を取る」という記述をする人もいるでしょう。督促状を送っても何も返信がない場合、あまりにも相手に誠意がない場合はそのような文面でも問題ありません。

しかし、取引先の中には何かしらの事情で仕方なく未払いになっているケースもあります。そのような人に最初の段階で法的措置をアピールすると、取引先が萎縮してしまうパターンもあるでしょう。

少し支払いが遅れただけで、いきなり督促状を何度も送付して法的措置も辞さないことをアピールするのは逆効果になるので、控えましょう。

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まとめ

督促状は、未払金の回収に強い効果を持つ書状です。なかには督促状の書き方や出し方を知らない人もいるでしょうから、もし取引先の未払いに困っている人は、ぜひ活用してみましょう。

ただし、督促状は書き方・送付方法を間違えてしまうと、効力を発揮しません。正しいやり方・注意点を把握して、スムーズに未払金を回収しましょう。

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