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内税とは?計算方法や処理方法について徹底解説!

商品やサービスを一般消費者向けに販売する際には、内税表示が義務付けられています。

商品価格の表示方法として消費税額を含めることを内税表示といいます。

内税の計算方法はいくつかあるなど内税の内容も多岐に渡るので、しっかりと内容を理解しましょう。

内税を計算する方法やエクセルで簡単に価格を求める方法についても詳しく解説していきます。

内税とは?

内税とは価格表示に消費税が含まれているものです。

以前まで消費税の内税表示は義務ではなかったため、スーパーなどの価格表示は実は税抜表示だったなどという経験がある方も多いかもしれません。

しかし、今はスーパーやコンビニなどの価格表示は税込表示となっています。

このように消費税が含まれた金額を価格表示するものを内税表示といいます。

内税表示は義務化されている

2004年4月より「消費者に対し値札・広告で価格を表示する際に内税で表示すること」と内税表示は義務化されています。

消費税が5%から10%(8%)へ増税された際、価格の付け替えなどのトラブルを防止するため、2021年3月31日までは期間限定で外税表記が認められていましたが、2021年4月からは内税表示が義務化されています。

つまり、現在の日本では、消費者向けの商品やサービスを販売する際の価格表示は全て消費税を含んだ価格である内税表示で表示しなければなりません。

内税表示違反には罰則がないため、税抜価格を表示しても罪に問われることはありませんが、消費者から「他店よりも安く見せるために税抜価格を表示している」などクレームが来る可能性は十分にあります。

罰則がないとはいえ法律遵守はすべきで、さらには顧客満足度を高めるためにも、内税表示の義務は遵守すべきでしょう。

外税との違い

外税とは価格表記に税が含まれていない状態です。

税抜価格、税別価格などと同じ意味合いになります。

商品価格が10,000円の場合、「10,000円(税抜)」「10,000円+税」などと表記されます。

消費税以外の内税

私たち一般の消費者には内税と言えば消費税が代表的ですが、内税表示が義務化されているものは消費税以外にも次のような税金があります。

・酒税

・たばこ税

・ガソリン税

お酒やたばこやガソリンの価格には、酒税やたばこ税やガソリン税などがすでに含まれています。

お酒やタバコを販売するスーパーやコンビニやガソリンスタンドは、商品販売価格の中から、内税を計算し、別途、国へ納付しています。

内税表示の義務がないもの

一方、内税表示の義務がない税金としては次のようなものがあります。

・見積書

・請求書

・契約書

これらは全てビジネスで利用されるもので、

事業者間での取引においては内税表示が義務付けられていません。

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内税を計算する方法

内税を計算する方法は次の通りです。

①8%対象の取引なのか10%対象の取引なのか、取引をわける

②それぞれの消費税額を計算する

基本的には上記の流れで消費税を計算し、計算した税額を上乗せした金額を表示価格とすれば問題ありません。

しかし、消費税額や税込価格を計算する方法は多数あります。

内税や税込価格を計算する方法を詳しく解説していきます。

①8%対象の取引なのか10%対象の取引なのかで取引をわける

まず、販売する商品に課税される消費税の税率が8%対象取引なのか10%対象取引なのかの判断を行いましょう。

消費税には軽減税率があり、次のような商品やサービスには軽減税率が適用されます。

・酒類・外食を除く飲食料品

・定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞

食料品や定期購読契約をした新聞には8%の軽減税率が適用されます。

具体的には次のようなものが8%の税率の対象になります。

・テイクアウトの飲食料品

・新聞の定期購読

・ミネラルウォーター(オフィス用など)

上記の軽減税率対象の商品をのぞくそれ以外の商品やサービスを販売する場合の消費税は10%税率の対象となりますので、まずはどの商品やサービスが軽減税率の対象になるのかを分類し、正しい税率で消費税額を計算できるようにしておきましょう。

②消費税額を計算する

税率の分類が完了したら、消費税額や税込価格を計算します。

消費税額や税込価格を計算する方法は主に次の3つです。

・税抜価格から消費税額を計算する方法

・税込価格から消費税額を計算する方法

・税抜価格から税込価格を計算する方法

 

それぞれの計算方法を具体的に解説していきます。

税抜価格から消費税額を計算する方法

税抜価格から消費税額を計算する方法は次の通りです。

消費税額=税抜価格×消費税率

税抜価格が1万円、消費税率が10%の場合、1万円×10%=1,000円が、消費税額となります。

価格表記は税抜価格10,000円+消費税額1,000円=11,000円で表示しなければなりません。

税込価格から消費税額を計算する方法

税込価格から消費税額を計算したい場合には次の計算式で消費税額を算出します。

消費税額=税込価格÷(1+消費税率)×消費税率

税込価格が11,000円、税率が10%の場合、11,000円÷(1+0.1)×10%=1,000円が消費税額です。

内税価格で売上だけを計上している場合には、売上を10%適用分と8%適用分に分けて、上記の計算式に当てはめるだけで、簡単に消費税の総額を求めることができます。

・税抜価格から税込価格を計算する方法

税抜価格から税込価格へ価格表記を変更する場合には、次の計算式で価格を計算します。

税込価格=税抜価格×(1+消費税率)

税抜価格が10,000円、税率が10%の場合には、10,000円×(1+0.1)=11,000円です。

 

これまでは税抜価格で価格表記をしており、その表記を税込価格に変えたいという場合には、このように計算して価格表記を行いましょう。

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内税をエクセルの関数で算出する方法

内税はエクセルの関数を使用することによって簡単に算出できます。

エクセルの関数で消費税額を計算する場合には、ROUNDDOWNという計算式を使用します。

消費税が10%の場合には、次のように設定します。

=ROUNDDOWN(【税抜価格のセル】/1.1*0.1,0)

消費税が8%の場合は、1,1を1.08に、0.1を0.08に変更することで、正しい消費税額を計算することができます。

エクセルでシートを作成しておけば、売上を入力するだけで簡単に税額を計算できるので、会計処理が非常に簡単です。

内税を計算したい場合には、エクセルシートを活用することによって非常に効率的に消費税の計算ができます。

消費税の端数の処理方法

消費税を計算する際には1円未満の端数が発生するケースが多々あります。

法律には端数が出た場合のルールがありません。

端数処理については事業者の裁量で「切り上げ」「切り捨て」「四捨五入」など任意で選択することができます。

大切なことは「会計処理の方法に継続性を持たせる」ということです。

例えば一度「端数は切り上げる」と決めたら、その後も継続的に同じルールで処理していきましょう。

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まとめ

消費者向けに商品やサービスを販売する場合には、消費税額込みの内税金額により価格表示をすることが法律によって決められています。

商品やサービスの表示価格に消費税を含めることを内税といいます。

内税額を計算する際には、まず、適用される消費税が8%のものと10%のものとそれぞれ分類し、そこから適用される消費税率から消費税額を計算していきます。

内税表示に違反しても罰則はないですが、顧客が店舗や商品を比較することが容易になりますので、顧客満足度を高めるためにも価格表記は内税表示をするようにしましょう。

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